雑貨・DIY関連

沖縄の新たな可能性、越境ECとは

〜 インバウンド観光客の「感動体験」を「生涯顧客」に変える越境EC戦略 〜

沖縄の宝を、世界へ。沖縄の新しい商売のかたち

沖縄でビジネスをされている皆さん、こんな経験はありませんか?

観光で来たお客さんが、お店のスイーツを食べて「おいしい!国に帰ってからも食べたいなー」と満面の笑みで言ってくれる。ホテルのショップで、奥様が月桃のハンドクリームの香りをいたく気に入ってくれる。その場限りの「ありがとう」で終わらせてしまうのは、あまりにもったいない。その笑顔こそが、沖縄の未来を拓く「金の卵」だとしたら…?

今月のJMPコラムは、沖縄の最大の武器である「観光」と、いま世界で爆発的に伸びている「越境EC(国際ネット通販)」をかけ合わせ、インバウンド観光客を「生涯顧客」に変える、新しい商売のかたちについて、一緒に考えていきたいと思います。

なぜ今、沖縄が「越境EC」に本気で取り組むべきなのか?

正直なところ、観光業が好調だと、わざわざ海外に商品を売るなんて大変そう…と感じるかもしれません。しかし、パンデミックで観光客がぱったりと途絶えた時の、あの静かな国際通りを思い出してみてください。人の移動に依存する経済は、世界情勢の変化にとても弱いことを私たちは痛い経験から学びました。

越境ECは、単なる「もう一つの売り場」ではありません。観光客が沖縄に来られない時でも、沖縄のブランドがお金を稼ぎ続けてくれる「経済の防波堤」になり得ます。そして、もっとワクワクする理由があります。それが「インバウンド・トゥ・オンライン」という考え方です。

沖縄に来て、私たちの文化や食に感動してくれた観光客。彼らは、沖縄の商品の良さをすでに「体験」してくれています。いわば、最強のファンであり、最高のお客様候補。この人たちに「帰国後も、ここから買えますよ」と案内するだけでも手始めとして良いのです。

満足したお客さんが、自国の友達に「沖縄のこれ、最高だったよ!」とSNSでシェアしてくれれば、そこから新しいファンが生まれる。この好循環は、広告費をかけずとも沖縄の魅力を世界に広げてくれる、自律的なサイクルなのです。

「沖縄の、これが欲しい!」世界が注目する有望商品たち

では、具体的にどんな商品が世界で売れる可能性があるのでしょうか?

食品・お菓子系
私たちの誇る、ちんすこう、紅いもタルト、黒糖菓子、その他のユニークなスイーツや食品。これらは鉄板と言っても良いですね。特に台湾では、観光客の8割以上がお菓子を買って帰るほどの市場。ただ売るだけでなく、沖縄らしいデザインの箱に詰め合わせたギフトセットにすると、贈答用としてさらに価値が上がりますし、各社すでに研究されていますね。

沖縄コスメ系
月桃やクチャ、海洋深層水など、沖縄ならではの自然素材を使ったコスメは、「癒し」や「自然派」を求める世界のトレンドにぴったり。特に品質に厳しいアジアの女性たちから「Made in Okinawa “Japan”は安心」というお墨付きをもらえれば、大きなビジネスチャンスになります。

琉球泡盛スピリッツ・リキュール系
残念ながら県内出荷は減少傾向ですが、世界に目を向ければ全く違う景色が見えてきます。日本のウイスキーが世界で評価されているように、泡盛も「プレミアムなクラフトスピリッツ」として売り出す時が来ています。特にアメリカでは、クラフト蒸留酒への関心が高まっており、泡盛のユニークな物語(日本最古の蒸留酒、タイ米仕込み、古酒文化)は大きな可能性を秘めているはずです。

伝統工芸品
琉球ガラスや、やちむん、染め織物を単なる「お土産」で終わらせては勿体無いですね。職人さんの顔や工房の歴史といったストーリーを丁寧に伝え、「アート」として価値を訴求することで、欧米のデザインや文化に敏感な層が、適正な価格で購入してくれます。京都の工芸品がeBayなどの海外サイトで成功している事例は、とても参考になりますね。

この他にも最近では沖縄発のアパレルブランドが少しづつ人気を集めているという情報も入っています。また、牛肉が好調な一方で海産物についてはやや攻めあぐねているといった現状のようです。

誰に、どうやって売る?主要マーケットの特徴と攻め方

やみくもに世界を目指す必要は無いと思います。まずは、すでに沖縄のファンが多い国・地域から始めるのが成功への近道です。

最重要市場:台湾
特徴 : 沖縄ファンが最も多く、菓子類や食品、化粧品への関心が非常に高いです。品質と価格をしっかり比較検討する、日本人に近い消費スタイルが特徴です。
アプローチ : 台湾で圧倒的なシェアを持つECモール「Shopee(蝦皮購物)」や「momo購物網」への出店が効果的 です。Facebookでの情報収集が活発で、ライブコマースの人気も高いため、生産現場からの中継なども面白いかもしれません。

急成長市場:韓国
特徴 : 「日本製=高品質・安全」というイメージが強く、コスメや食品、キャラクターグッズが人気です。
アプローチ : 現地の巨大ECモール「Coupang」や「Gmarket」が主戦場と言えます。美容への関心が非常に高いため、沖縄コスメの成分や効果を丁寧にアピールすると興味を持ってもらえそうです。

高消費額市場:香港
特徴 : 一人当たりの消費額が高く、ファッションや美容製品、高品質な食品への需要が旺盛です。日本のトレンドにも敏感です。
アプローチ : 現地で人気の「HKTVmall」などがターゲットになるかもしれません。高級志向の消費者も多いため、泡盛の古酒や味わい深い工芸品なども面白いでしょう。

始める前の「困った!」を解決。物流、決済、そして強力なサポーターたち

「でも、海外発送や外国語の対応、お金の受け取りってどうするの?」そのご心配、よく分かります。越境ECには、国内販売にはない特有のハードルがあります。

物流 : 沖縄はアジアの中心に位置する国際物流ハブという大きな強みがあります。日本郵便の海外発送サービスはもちろん、越境ECに特化した物流パートナーも増えています。
決済 : ここが超重要ポイントです。例えば台湾のお客さんは、日本の銀行振込などは使いませので現地のクレジットカードやモバイル決済を導入しないと、買う寸前で離脱されてしまいますね。
規制・関税 : 食品や化粧品、お酒を輸出するには、国ごとに異なるルールがあります。例えばアメリカに食品を送るにはFDA(食品医薬品局)の要件をクリアする必要がありますし、中国の規制は特に複雑です。

でも、安心してください。これらの課題を、私たち事業者がたった一人で乗り越える必要はありません。沖縄には、驚くほど手厚いサポート体制が用意されています。もちろんJMPでもサポートしています。

沖縄県・沖縄県産業振興公社 : 新しくECサイトを作る費用を最大150万円も補助してくれたり(補助率2/3)、海外の展示会に出展するための渡航費や販促費を支援してくれたりします。
ジェトロ沖縄 :「そもそも、どの国に可能性があるの?」といった相談から、Amazon(米国)への出店支援まで、海外展開のプロが具体的にサポートしてくれます。
中小企業基盤整備機構 : 経営の専門家を派遣してくれたり、国の様々な補助金にネットで簡単に申請できる「Jグランツ」の活用を助けてくれたりします。

最初の一歩を踏み出そう!

これだけ支援が充実していても、情報が多すぎて「結局、何からやればいいの?」となってしまうのが現実かもしれません。だからこそ、専門家は「事業者の悩みに寄り添う、越境ECのコンシェルジュのようなワンストップ相談窓口が必要だ」と提言しています。

まず沖縄の事業者にできる、最も簡単で、最も重要な最初の一歩。それは、、
商品のパッケージやお店のポップに、ネットショップに飛ぶQRコードを貼ることです。目の前にいる海外のお客さんに「気に入ったら、国に帰ってからもここから買えるよ!」と伝えてみてください。観光客が沖縄を去る時、それは別れではなく、新しい関係の始まりです。実店舗を持たない事業者ならば各国のECサイトに一定期間出展し自らのブランドECサイトへうまく誘導するアプローチも考えられますね。

沖縄の宝を、世界中の人々の日常に届ける旅へ。一緒に踏み出しましょう。小さな一歩からコツコツとトライ&エラーを積み重ね、大きな成果へと繋がっていくものです。
JMPでは越境EC事業にもお役に立てる経験豊富なスタッフが支援を行っていますよ。沖縄の事業者のユニークで魅力的な商品が海外でたくさんのお客様を喜ばせることができたら本当に素晴らしいですね!

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