事業戦略

逆輸入を事業戦略の選択肢に

そもそも逆輸入って何でしょう?

逆輸入とは、もともと国内で製造し海外輸出した製品を、再び国内に戻して販売することです。たとえば、日本で作った車をアメリカに輸出して、それをまた日本へ輸入し国内販売する、と言った感じですね。

ではなぜ逆輸入するのでしょうか?
逆輸入は、奏功すれば企業にとって様々なメリットが考えられます。
まず挙げられるのは、ブランドイメージの向上です。
海外で人気が出た製品を国内へ逆輸入することで、「海外でも認められた品質」「あの都市で人気のアイテム」等と言ったイメージをマーケティングとして打ち出す事ができます。
特に日本人は「海外で認められたものなら手にしてみたい」という感覚が強い傾向があるので、“箔付”人気が出やすいようです。
また、新たな顧客層の開拓においても意外な効用が見られます。
海外向けに作られた製品は、デザインや機能、仕様が国内向けと異なる場合があります。
そういった製品を逆輸入することで、これまでとは異なる顧客層が注目し、予想もしなかった需要が生まれるような現象も起きています。
また、海外の工場で生産することで、コストを抑えられるケースも多く、昨今では海外工場の生産品質も向上しており、その結果、国内で同じような製品を作るよりも安価で販売できる可能性があります。
JMPでもそうしたご要望にお応えし海外工場での製造から輸入までトータルでお手伝いしています。

逆輸入の戦略的な考え方

こうした逆輸入を成功させるためには、戦略的な考え方が重要です。もちろん輸入先現地の文化やターゲット層をしっかり見定める必要がありますが、その結果、国内のどの層にどのような影響が生じるか(生じさせたいか)までを視野に仮説を立て、さらに不測の自然発生的な現象を見逃さずに事業をマネジメントする必要があります。
その際は輸出先現地国で得られた消費者や顧客からのフィードバックを基に製品を改良する必要があるかもしれませんし、あえて海外仕様のままにしておくことが国内消費者の支持を得られるのかもしれません。
このような戦略を構想してみることは新たなビジネスチャンスを生み出す事に繋がりそうですね。

逆輸入の注意点

当然ながら逆輸入にはメリットだけでなく、注意すべき点もあります。
海外で生産する場合には、品質管理の問題がつきものです。しっかりとした品質管理体制を構築することが重要です。JMPでは海外現地にスタッフが常駐し製造ラインの品質管理をマネジメントしています。
また、海外との取引になるため、為替レートの変動によって利益が左右される可能性があります。
為替リスクを考慮した価格設定が必要です。
さらに、海外で生産・販売する場合には、知的財産権の侵害に注意する必要があります。
こうした諸々の注意点についてはやはり、まずは一度、専門商社にアドバイスを受けるのが得策だと思います。

逆輸入ビジネス今後の展望

グローバル化が進む現代において、逆輸入は今後も注目される事業戦略の一つです。ECサイトの普及や洗練によって、昨今では海外製品を気軽に購入できるようになりました。これにより、逆輸入のハードルが下がっています。
また、InstagramやTicTok、YouTube等SNSを通じて、海外のトレンドや情報を簡単に収集できるばかりか、インタラクティブなコミュニケーションからムーブメントが生まれる時代ですから、SNSを活用した(ちょうど良い匙加減の)マーケティングが重要となります。

逆輸入は、企業の戦略次第で大きな可能性を秘めています。
家電や自動車のみならず、食品やアパレル、コンテンツまで幅広い分野で成功事例が見られています。
こうなると、もはや逆輸入という考え方自体が古いのかもしれませんね。
これだけ世界が情報網で相互接続されると、大企業や零細企業、個人といった垣根を超え、本当にユニークで価値のあるものは、適切なポジションによっては、一気に評価される可能性に溢れた時代なのかもしれません。

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