一般的に“貿易”と聞けば「家電や自動車、半導体、エネルギーの等を国境を超えて取引すること」と理解されている方がほとんどではないでしょうか。製品や資源、資材の国際間取引ですね。
一方、サービス貿易とはハードにあたる“モノ”ではなく、字の如くサービスとなりますが
一言でサービスと言っても、とても多様な分野や業界へと、その範囲が広がります。
具体的には金融(銀行や保険業)や通信(ネットを介するサービスやコールセンター)、
運送(バス、鉄道、タクシー等)、さらには旅行業や飲食業、フランチャイズビジネス、
そして小売業(沖縄でもコストコの開業が近づいていますね)、コンテンツ、先端テクノロジー、
それらの新たな組み合わせ等も含めたなら膨大な領域となり、
ハードとの境界も曖昧になって行くのかもしれません。
過去最大となった日本のサービス輸出だが..
日本のサービス輸出はコロナパンデミックの影響で一時大きく落ち込んでいましたが、
2023年にはインバウンド増加の影響を受けコロナ以前の水準を上回り過去最高額を記録しました。
しかしながら、国際的には“モノ関連”の輸出において存在感を現す日本も、
サービス輸出においては世界10位前後にとどまっています。
もちろん世界各国にはそれぞれの特性があり、またGAFAMと呼ばれるビッグ・テック、
巨大プラットフォーマーのほとんどが米国に拠点を置くグローバル企業である等、
日本のビジネスとは大きく環境や背景が異なりますので
これから未来へ向けて日本のサービス輸出を拡大・成長させるには
日本独自の強みを活かしたコンセプトやアプローチの開発が必要不可欠です。
世界貿易機関(WTO)と一般貿易協定(GATS)
世界貿易機関は国際貿易のルールに基づき紛争解決を行う機関であり、
現在は160ヵ国以上が参加しています。
WTOのもとでサービス貿易に関する国際間協定の位置付けとなる
一般貿易協定(GATS)が運用されています。
また、さらに発展的な国際間取引を推進するために経済連携協定(EPA)等の二国間、
または多数国間の協定も発足し、サービス貿易の自由化の流れは加速しています。
サービス輸出は日本にとって大きな拡大余地があります
日本のサービス産業を国際軸やサービス輸出の視点でうまく応用したなら、
グローバルビジネスで大胆な展開や可能性も大いに期待できます。
近年では情報・通信技術が急速に発展しインターネットさえ繋がれば世界中の人々と
インタラクティブな関係を築くことができますから、
国内経済が縮小傾向にある今こそ、皆さまの事業もサービス輸出の観点から
発想を豊かに構想を練ってみてはいかがでしょう。
実際の海外取引では知的財産権、知的所有権の問題も生じやすいため、
弊社のような国際商社へご相談なさることをお奨めいたします。