電子部品

知っているようで知らない?「半導体」とは

熊本県の菊陽町に台湾の世界的半導体メーカー「TSMC」が進出し、
工場周辺ではバブルをも超える破竹の勢いで、凄まじい現象が起こっているようです。
菊陽町はもともと農畜産業が主要産業の、のどかな町ですが、今や町内や周辺自治体では
賃貸マンションの建設ラッシュが起こったり、工場周辺の賃料が1.5〜2倍近くへ上昇、
近隣の飲食店の価格は東京都心並みにも関わらず連日満席状態との事。

さらに、「TSMC」は2027年に第二工場(第一工場隣接地)の開業を予定していますが
熊本県では県知事を筆頭に第三工場の誘致にも意欲を示し、
TSMC進出の経済波及効果は2022年からの10年で7兆円以上にも及ぶと推計されています。

さて、台湾「TSMC」の熊本進出のニュースはご存知の方も多いかと思いますが
では改めて半導体とは一体何でしょうか?。

あらためて半導体とは?

半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質のことです。
ある条件下では電気を流し、別の条件下では電気を流さないという、独特な性質を持っています。

コンピュータや電波を使うものはすべて半導体の働きに依存しています。
昨今、世界的に半導体不足の懸念や影響が広がっていますが、これにはあらゆる産業が打撃を受けます。

半導体不足はコロナパンデミックや自動車の電化、半導体工場増設の困難さが要因と言われています。
ITCはもちろんのこと、製造、物流、メンテナンス、社会インフラ等、

直接的・間接的にも、もはや半導体無しでは成り立たない世界となっています。

半導体の特徴と働き

電流の制御: 外部からの刺激(電圧、光、熱など)によって、電気を流したり止めたりすることができます。この性質を利用して、トランジスタやダイオードといった電子部品を作ることができます。
情報処理: トランジスタを組み合わせて、複雑な計算や論理演算を行うことができます。コンピュータのCPUやメモリは、数多くのトランジスタで構成されています。
信号の増幅: 微弱な電気信号を大きくすることができます。ラジオやアンプなどに使われています。

半導体が使われているもの

半導体は私たちの生活のあらゆる場面で使われています。
スマートフォン: CPU、メモリ、カメラの画像センサーなど、スマートフォンは半導体でいっぱいです。
コンピュータ: CPU、GPU、メモリなど、コンピュータの性能を左右する重要な部品です。
自動車: エンジン制御、安全装置、カーナビなど、自動車の電子化が進み、半導体の需要はますます高まっています。
家電製品: テレビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、エアコンなど、ほとんどの家電製品に半導体が使われています。この他、クレジットカードやSuicaなどの非接触型ICカードにも欠かせません。

半導体の種類

半導体には、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、炭化珪素など、様々な種類があります。
それぞれの半導体は、特性が異なり、以下のように用途も異なります。
シリコン:高い耐熱性と安定性があり、多くの半導体製品で使用されています。
ゲルマニウム:シリコンよりも高速な動作が可能で、高周波用の半導体として利用されています。
ガリウム砒素:光電子デバイスや高周波デバイスに適した特性により、光通信や衛星通信などで使用されています。
炭化珪素:高温・高電圧環境での使用が可能で、車載用半導体や産業用機器などで利用されます。

なぜ半導体が重要なのか?

半導体は、現代社会のインフラとも言えるほど重要な存在です。
半導体の性能向上は、コンピュータの小型化・高性能化、通信速度の向上、
そして新しい技術の開発につながり、私たちの生活を大きく変えています。

半導体は、電気を通したり止めたりできるという、特別な性質を持った物質です。
この性質を利用して、私たちの身の回りにある様々な製品が作られています。
半導体の技術革新は、今後も私たちの生活を豊かにする上で重要な役割を果たしていくでしょう。


また、各国の次世代半導体開発の展開や刻々と変化する地政的リスク、地球環境の保全等、
様々な課題を克服するために半導体業界はこれからも開発を高度化し続け、
世界の新たな要請に応えて行くと考えられています。


来月のJMPコラムはJMPの経験や弊社にも在籍している台湾出身社員の意見も交え、
台湾貿易の注意点や留意点についてお伝えしたいと思います。

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